足場にはメッシュシートや養生ネットが欠かせません。仮設構造物の外側に設けられているのですが、作業床からボルトなどが足場の隙間から落下することなどを防止するために用いる建設材のひとつです。
メッシュシートというだけに、シートは風通しがよく、夏場でも施工しやすくしています。しかし、その反面、強風時には足場にかかる風荷重が大きくなりやすく、足場そのものの倒壊、作業員の転倒の原因にもなるデメリットもあります。
そのために、必要な間隔で足場を壁つなぎで補強しています。また、強風が予想される時は足場メッシュシートを外す必要もあります。
そこで今回は足場メッシュシートの役割と設置する基準(規格)について解説したいと思います。
足場メッシュシートの役割
足場メッシュシートの役割は、現場で働く作業員の危険を防止することや、通行人への被害が出ないように、建造物が損壊しないために必要になります。
仮に、作業中に使用していたボルトが落下したとして、規格品となるシートなら足場で作業している作業員や通行人が怪我してしまう可能性も防ぐことができます。
さらに、外壁塗装などで足場を組んでいるときに、隣の住宅の敷地に塗料や洗浄時の水が付着してしまい、汚してしまうリスクなども防ぐことができます。
また、建物全体に覆ったとしても、通気性の良さが維持できるので、圧迫感がなく、塗料を使っているときなどにおいが充満しづらいなどの特徴もあります。
メッシュシートの網の目のサイズによって防音対策にもなるなど、様々な役割が期待されています。
認定規格について
ここからは、社団法人仮設工業会による足場メッシュシートの認定規格についてご紹介します。
足場メッシュシートの網地の材料については「難燃性の合成繊維」(※日本工業規格A8952)でなければなりません。なかには規格外のものもあるので注意しましょう。
そして、はとめの材料も規格合格のものを使用します。
強度、性能が重要ですから、レンタルする場合には注意が必要になります。
また、縫込みロープも合成繊維のものが規格内の材料です。
試験クリア(規格内)
足場メッシュシートは、構造上、網地に切れ、ほつれ、織りむらなどがあってはなりません。
サイズが大きいものの場合、はとめが簡単に外れない構造でなければなりません。
さらに、一般社団法人仮設工業会の試験をクリアしている足場メッシュシートなのかを確認しましょう。
ちなみに、足場メッシュシートには1類と2類がありますが、1類の方が強度の高いメッシュシートになります。
さらに、足場メッシュシートと同じく、養生ネットも設置しますが、作業員の墜落を防止するネットになり、養生ネットの素材も合成繊維になります。
足場メッシュシートの色について
これだけ見てみると、作業員や通行人、建設中の建物への配慮がうかがい知れます。
また、用いる用具に関しても規格外のものは使用しないという厳しい基準が設けられており、機能面が表立っています。
しかし、足場メッシュシートはデザイン性もポイントです。
これまでは、白い足場メッシュシートが主流でした。
しかし今はグレーや黒も展開中です。その理由は、室内の窓からの景色は見通し良く、密閉感が軽減できます。
しかし、外から見ると黒いメッシュシートのおかげで室内が見えづらく防犯上の効果があるからだといわれています。
まとめ
足場費用は決して安くはないので、足場なんていらない、という声も実際にはあります。
しかし、作業員や通行人、隣家などへの配慮が必要になることも知ってほしいと思います。
また、作業員の作業効率も高まるので、足場費用をケチることは避けたほうがよいでしょう。